鰯はひょいっと棚の上に飛び乗った。 壁に掛けられた地図を、肉球から出た爪が指す。 「これがこの世界、天界の全土でございます。 北の黒国(こっこく)、 東の青国(せいこく)、 南の赤国(せきこく)、 西の白国(はくこく)、 最後に今いる、中央の黄国(こうこく)。」 それぞれの国が、孤立して海に浮かんでいた。 日本とは、地球とは、異なる世界。 球体の星なのだろうか。 そもそも宇宙の中に存在する場所なのだろうか。 月の存在が、余計ややこしくしている気がする。