月物語 ~黒き者たちの宴~




権力は絶大だ。



しかし、目の前にいる女は、軽々と命令してくる。



前職を辞した今、彼女には何の権限もない。



それでも、不快感はなかった。



「監視と部屋を用意する代わりに、弟を?」



何がそこまでこの女を突き動かすのか。



女の通った後には、いくつもの屍が転がっている。



誰を犠牲にしても、欲しいものは手に入れる。



どこまでも貪欲で、いっそ清々しい。