―――――――――――――――――――――――――――― 彩夏は駆けに駆けた。 ―主上、一体どこに。 「彩夏殿。」 平当の呼びとめに、崩れるように倒れこんだ。 「一体どうなされた。」 それを慌てて抱きとめる。 暫く呼吸を整えると、汗に濡れた顔を上げた。 「しゅ、主上が、いなく、なって。」 「何! 衛兵たちは!?」 彩夏は首を振った。 ―何ということだ。 あの王は… 怒りの溜息が出そうになったのを堪える。