月物語 ~黒き者たちの宴~




闇の中から、人影が近づいてくる。



けれど、怖くはない。



そっと、鉄格子の中に手を入れると、目の前に来た人影が触れてきた。



―あぁ、朱雀だ。



何も言わなくてもわかる。



王と神獣だけの関係。



「王…」



朱雀は小さく呟いて、そのままどさりと崩れ落ちた。



「っちょっ。
ねぇ、中の鍵はないの!?」



男は下を向いた。