月物語 ~黒き者たちの宴~




―私は死んでもいい。
いっそ、王が来るまでに死んでしまえれば…。



意味を悟ったのか、男が静かになった。



「兄、上…」



ただ、ぽつりとそれだけが零れたように聞こえた。



祝融は、逃げようとしている。



すべてをこの男に背負わせて。



王が来る保証も、男が一か月持つ保証もないが、それでも今は待つしかなかった。



―天は、やはり私を理解していない。