月物語 ~黒き者たちの宴~




「誰か!」と、光燐が人を呼ぶ声が、別の世界のもののように聞こえた。



衛兵が礼を寝台に運ぶと、光燐はただ礼の手を握った。



「本当…なの、か…」



光燐が握った礼の手は、震えていた。



溢れる雫を、反対の腕で隠す。



「誰だ…犯人は誰だ!」



「………。」



光燐は黙りこくっている。