礼は眠っていた。 『外へ出て。あなたを待ってる。』 女の声が脳内に響く。 ―また… 礼は、うっすらと目を開けた。 まどろみの中で、身体だけが起き上がる。 夢か現実か、曖昧な世界の中を歩いた。 扉を前にして気づく。 ―あぁ、ここは自分の部屋だ。 扉をそっと開けてみる。 いつもいる衛兵たちの姿がない。 『さぁ。』 促されるまま部屋を出た。 何故、この声に従うのだろう。 そう考えたのは一瞬で、何も考えられなくなった。 『そのまま真っ直ぐ。 ─────右へ。』