「………。」



礼は、何も言えなかった。



彩夏の顔も見られない。



「下がりなさい。」



彩夏は衛兵たちを下がらせた。



礼はどこに向けようもない苛立ちが満ちていた。



彩夏はぎゅっと礼を抱きしめた。