「はぁ~…」


「どうしたの?」


「いや、やっぱり生徒会会長なんてやりたくなかった思うて…」


「面倒だもんね」


「はぁ~…やりとうない…」


うちは生徒会室の机に突っ伏せた。


うちの目の前で書記の真希(まき)が書類とにらめっこしとる。


今は九月。


うちと真希は文化祭で何をやるかのアンケート集計&先生に頼まれた書類に印を押しとる。


「瑠李、もう七時だよ…」


「…もう七時なんか~…」


うちは机に突っ伏せたまま適当に答えた。


「今から終わらせるか、明日の朝早く来てやるか。どっち?」


「…ん~…明日の朝…」


「よし。じゃあ、アンケートはこのままでいいね。…じゃ、あたし、塾だから先に帰るね」


真希がそう言ってからしばらくして生徒会室のドアが閉まる音がした。


顔を上げると目の前には散らかった紙、そして誰もいない教室内が視界に入った。


「はぁ~…」


うちはひとつ溜息をついて席を立ち、鞄を持って生徒会室を後にした。


廊下を歩いて窓の外を見るともう真っ暗やった。


一人で帰るの少し怖いな…


でも他に人おらへんし…しゃあないか…