「おやすみ、海」


「あぁ、おやすみ」



…………
…………………



寝室には萌亜と羽杏の小さな寝息意外なにも聞こえない。


萌亜の髪を撫でれば


「う、み…」


寝言で俺の名前を呼ぶ可愛い奴。



羽杏の生えたての髪をすくえばふにゃっと笑う可愛い奴。



可愛い奥さんに可愛い娘。

俺は幸せ者だな、なんて思いながら…




――なぁ、羽杏。
お前がうまれてくる時をずっと待っていたんだ。

萌亜と一緒に、な。



お前が大きくなったらそんな話をしようか、萌亜?





―END―