肉きゅうを触らしてくれるなら


帰り際、いつものところに友猫さんはいなかった。朝は確かにいたのに…。何故だろう?


彼がいない塀はこんなにも寂しく、こんなにもみすぼらしかったんだ。


気づくと目から水が垂れてきた。無意識に泣くとはドラマみたいだ。猫は死ぬ間際人の目に触れない所に行くと聞いたことがある。そうなのだろうか?


三日間のお友達は私に何をしてくれたのだろう?私は何をしてあげれたのだろう?


「最後なら肉きゅうぐらい触らしてくれたって良かったのに…。」


私は手の甲にある赤い三本の線のようなかさぶたを撫でた。