「私、今まで風間君のそういう話聞いたことなかったから、ずっと生徒会とサッカーが恋人なんだと思っていたわ。」
そこにはふちメガネを掛けた少し長めのショートカットの女子生徒が笑っていた。
「おい。愛穂!…それどういう意味だよ!?」
風間がムッとした顔で声を張り上げると、愛穂はクスクス笑い出した。
彼女の名前は日高愛穂。(ヒダカマナホ)
蘭藤荘の住人ではないが、俺と親しい友人の一人だ。
彼女は3年D組の室長をしている。
優しくてしっかりしていて優等生。
前に俺は室長から勉強を教えてもらったことがあってから、俺と室長はだいぶよく話すようになった。
「ね。遠山君もそう思うでしょ?」
「え?」
そう話しかけたが、俺は話を聞いてなかったのでそのまま押し黙った。
すると、愛穂がニコッと微笑む。
「風間君の恋人は、どう考えても生徒会かサッカーよね?」
復唱されて、俺は理解したので風間を見た。
「うーん…そうなの?風間。」
「…んなわけねーだろ!俺だって好きな女の子のタイプくらいあるわ!」
「え?風間の好きなタイプってどういうのなの?」
「…え。」
俺の質問に風間は口をごもらせて、顔を赤く染めた。
「うわあ!それ私も聞きたい!」
「えええ。愛穂まで…。」
愛穂は風間の好きなタイプに興味津々なのか目を輝かせた。

