「でも!そこで疑問勃発です!なぜそんな超令嬢がこの蘭藤荘に住んでるんですか?しかも管理人で!って感じじゃないですか!!?」






西川さんは激しくグワッと目を見開いて俺を見た。







「じゃあ、観奈がなんでこの寮にやってきたのか、西川さんは知らないんだ。」








俺がそう言うと、西川さんが『くぅ~』と叫びながら親指を強く噛みしめた。








「知りませんよ!だって、彼女がご令嬢だったってことすら今さっき知ったんですよぉ!そんな情報を今まで知らずにいたなんて…本当に屈辱ですぅぅぅぅ。西川、一生の不覚ですぅぅぅぅ(`Д´)」





そんな情報を知らずにいたのが本来自然な流れなんですけどね(; ´_ゝ`) 







「あ、そういえばさっき芭悠里さんとはバイト先の知り合いって言ってたけど…西川さんってそういえば、どこでバイトしてるの?」







そうだよ(´・ゝ・`)
さっき芭悠里さんは藤岡先生の秘書なのに、なんで西川さんのバイト先が関係するのかまったく意味不明だったもんな。







「ああ。そういえば話していませんでしたっけ?私、澤原財閥の会社のひとつであるリップドルチェで働いているんですよ。」







「リップドルチェ?」








俺はその聞き覚えのない会社名に首を傾げると、西川さんが『え?』と眉を寄せる。