だってそこは俺も住んでいるマンションだったから。
「おっ俺もここなんだけど」
「そっそうなんですか?」
萌もかなり驚いている。
「何階?」
「9階です」
「俺10階。1人暮らし」
「高校生で!?」
実家よりこっちのほうが通学、楽だし。そのおかげで俺は遊び放題。
何度も女を連れこんだ。

「じゃっ、上行くか」
「はい」
俺はエレベーターに乗り9階と10階のボタンを押した。
また無言。
「明日、朝一緒に学校行かね?」
俺はいつのまにかこんなことを口走っていた。
「えっ」
「あ、イヤなら別にいいけど」
「うっうれしいです。」
「じゃっ明日、朝迎え行く。何号室?」
「408です」
(9階です)
ちょうど着いたみたいだ。
「じゃっまた明日」
「はい、今日はありがとうございました」
ドアが閉まるとすぐ10階に着いた。俺は足早に自分の部屋に行き、鍵を開けると
すぐにベッドに倒れこんだ。
「はぁ~」
変な緊張から開放された。
「あんなこと言ったけど大丈夫かな俺」
好きな女と居るってこんなに緊張するんだ。俺はいつも女から近寄ってこられるタイプ
だし、一緒に居ることになんの感情もない。
初めての感情に戸惑いながら俺はそのまま眠りについた。