「準備はできましたか?」

 部屋の外で奈桜の声が聞こえる。

 「ちょ、ちょっと待って」

 私は、当日に限って寝坊してしまった。

 急がなきゃ!

 制服制服……。

 「璃音お嬢様?」

 キィー…。

 扉が開いた。

 目を見開く奈桜と下着姿で固まる私の視線がぶつかった。

 「す、すみません」

 バタン。

 焦って扉を閉めた。

 下着…見られた…。

 顔が火照っていく。

 ほぼ放心状態のまま準備を終わらせた。




 「ど、どうぞお乗りください」

 すごくキョドっている奈桜。

 「は、はい」

 私もだぁ!

 「何かお前おかしくね?」

 車の中で陸玖が奈桜に問いかける。

 「おっおかしくないよ?」

 嘘をつくのが苦手な奈桜。

 「嘘つけなにがあった話せ」

 四人に追い詰められている。

 い、言わないで。

 心で願って見守る。


 「し…下着を…」

 小声でボソッと呟いた。

 「璃音お嬢様の下着を見たのか!?」

 コクリと頷く奈桜。

 私の頬は真っ赤に染まる。