玲於君が来てから一週間…。

 五人とも玲於君と私をシカトし続けた。

 なんでシカトするのかな…?

「五人とも私の部屋に来なさい」

 神山母が五人を呼んだ。

 五人が部屋に入るのを見送り私は椅子に腰かけた。

 「ねぇ…」

 後ろから急に抱き締められた。

 「どっどうしたの?」

 見なくてもわかる。玲於君だ…。

 一週間いつもこれ。

 朝会ったら「おはよ…」って抱きしめて、お昼はずっとそばにいて、寝るときは「おやすみ…」って抱きしめて。

 玲於君は、小学生にしては頭がよくて背が高い。

 普通の中学生くらいの男の子で、抱きしめられると勝手に胸が高鳴る。

 「璃音さんは…誰が好き…?」

 抱き締めたままの状態で聞く。

 「好きな人なんていないよ」

 「あの…五人の中にも…?」

 「うん」

 私は、いまだに好きが分からない。

 「璃音さんは…お嬢様なんでしょ…?」

 「だね…」

 あ…最近あの五人がバタバタしてたから忘れてた…。

 私、お嬢様か…。向いてないよ…。

 「璃音さんのこと…僕が幸せに…してあげる…」

 「え?」

 急に何言うんだろ?

 これじゃ告白みたいじゃん…。

 「そういうのは、好きな子にいうんだよ?」

 「僕は…璃音さんが…好きだけど…?」