悠羽が嫌だったわけじゃない。

 男の子にはからかわれたことしかなくて、悠羽もからかってたなんて思うとつらくなってしまった。

 「おぃ、悠羽」

 「ぁ、空夜」

 「お前、璃音お嬢様泣かしたな」

 空夜が悠羽を睨んだ。

 「ち、違うの!私が悩んでて話し聞いてくれてただけ」

 私は、とっさの嘘をついた。

 「そ、そうだよ」

 悠羽も合わせてくれた。

 「本当ですか璃音お嬢様」

 「う、うん」

 「わかりました」

 よし、何とか逃れた。

 「少し来ていただけますか」

 空夜に腕を引かれてどこかの部屋へ。

 「ここは?」

 きれいに整頓されていてシンプルな部屋。

 「俺の部屋」

 「は?」

 なんで空夜の部屋なんかにいなきゃいけないの?

 「お前さっき悠羽になにされた」

 「っな、何言ってんの?」

 「嘘ついてもわかる」

 なに!?