「ぁ、あたしそろそろ帰ります! 父が…心配、してると思うから」 「そっか…。陽太、送ってあげて?」 「ぇ、い、いいです! 一人で帰れます!」 「いいよ、最近危ないし。柚も来るか?」 「あたしは直の面倒みないと! 起きたら一人、って直泣いちゃうもん!」 「そうだなっ。…無理、すんなよ」 「…うんっ」 陽太は…なんでもお見通しだね。 本当は…ちょっと怖かったんだ。 理恵のお父さんに会うのが──…。 「ぁ、俺ちょっと着替えてくるな」 「うん」 陽太は部屋に着替えに行った。