「そして…あたしが小学生の時、初めて…あたしにイトコがいることを知りました。 嬉しかった…。父以外にも、あたしの家族がいて。本当の…家族がいて」 「…」 「だけど…それと同じくらいに、憎かった…!!」 植村の瞳から、大粒の涙が溢れ出す。 「同じ家族なのに…っ!! なんで、なんであたしだけ、って…!!」 「…ごめ…」 「幸せな、柚さんが憎かった! 柚さんが… 羨ましかった…!!」 涙を流す植村を、柚は優しく抱きしめている。 そして、何度も…「ごめん」と言っていた。