「柚、お前…”植村”って名字に聞き覚えないか」 「ぇ…いきなり、どうしたの…?」 「これ」 俺はさっき大地から受け取った紙を柚に渡した。 「…? なにこれ」 「いいから、見てみろ」 俺はネクタイを外し、柚の隣に座った。 柚はそっと紙を開く。 「…噓」 「この事で、今日、相談したいんだけど」 「…」 「柚、もう一度聞くぞ。 ”植村”って名字に聞き覚えないか」