私が帰りの地下鉄代を持たないで町に行って。

ベンチに座って泣いていた。

泣いたら負け。

でも涙が止まらなくて。

「ちょっと君名前は?」

警察の人が警察手帳をちらりと見せて言った。
私は答えた。

「青山 愛です。」

すると警察官は、無線で、

「青山 愛さん保護!!」

と言った。


そのままぐたぐた長い説得。

家に帰ったってまたすぐ家出するのに。

パトカーに乗せられて家に連れて行かれた。

親は、またかと言わんばかりに呆れてた。

私の家は、母子家庭。

お母さんと警察官は、何か話していた。

私が聞こえたセリフ。



「…もぅあのこは、手に負えません。」
「施設を考えますか?」
「えぇ…」



やっと家から離れられる。


そんなこと思いつつ私は不安でいっぱいだった。