鼻奥を擽る甘いの香水の香りが…ダニエル氏から漂う。 プロジェクトチームの中で紅一点である私をダニエル氏は興味深々に見つめる。 「……ヤマトナデシコ…ですね~ミス小田切」 片言の日本語でダニエル氏は私に話しかける。 『ありがとうございます…ステキな褒め言葉です』 私はイタリア語で返した。 「……私…ニホンダイスキ…サムライ、フジヤマ、スシ…ナデシコ」 ダニエル氏はなかなか…私の手を握ったまま…離さない。 『……お手をお放し下さい…ダニエル氏…』 焦る私に透真が助け舟を出してくれた。