家に戻ろうと湾岸線を走るーー


 助手席に乗るナルは夕映えの海岸の景色を見つめる。


 「……お前に描いて欲しい…女が居る」


 「…誰?」


 「俺の女…」


 「ナル…彼女居るの??」


 「同じ大学だった女だ…彼女と結婚したいと思っている。でも、俺は自由に生きたいけど…彼女と結婚するならそうはいかない…」


 「どうして?」


 「色々…あるんだ…」


 夕映えの光が車にも差し込む。


 ナルの真剣な横顔がオレンジ色に染まる…



 俺と同じでナルも結婚するんだーー