麗は、思い切って放課後、透を公園で待ってる事にした。


いつも二人で歩いた道

いつも二人で笑ってた

麗は泣いていた。寂しくて…


「泣き虫麗、どうした?誰かと待ち合わせ…かな。違うなら…一緒に帰るか?」


透の声を久しぶりに聞いた。大好きだよって言ってくれた、優しい透の声。


透が歩き出したので、麗は黙ってその後を歩いた。聞きたい事がたくさんあった。話したい事がたくさんあった…でも言葉にできない…


「なぁ~麗、麗の夢って何?」


「……」


「俺さ~夢って言葉、あんまり好きじゃなかったんだ…叶わないから夢って言うような感じがしてさ…でも、今なら夢って言ったら言える…かもな…」


沈黙が続いた。


「透?」


「何?」


「透は本当に私の事好きだった?もしかして…ただの…遊びだった…?」


透は答えなかった。麗もそれ以上は聞けなかった。


いつも、また明日って別れた場合が、もう目の前だった。


「麗、ストラップ…持ってるか?」


麗は鞄に付けていた大切なストラップを透に見せた。


「ちょっと貸して…」

透は手渡したストラップを、自分のポケットに入れると、代わりに透が持ってた方を手渡した…