何度もキスをして、触れあって、どれくらいの時が流れたのだろう…


泣きながら二人は一つになった。お互いのぬくもりを忘れないよう、確かめるように…触れあいながら……



「麗、俺…麗には幸せになってほしいんだ。本当は、遠くにいてもこのまま続いていくのがいい…でもな、きっとそれって難しい事だと思うんだ…」


「難しくない!麗は透しか愛せない。透しか……」


「ごめんな麗。俺も麗が大好きだよ。でも、傍にいてやる事できないんだよ。麗が誰かと幸せになること祈ってるから…」


「どうしてそんなふうにいうの!透のバカ!私の気持ちなんて、考えてくれないんだ。もういい…」


麗は透の家を飛び出した。涙があふれて止まらない。いつもなら追いかけてきてくれる透の姿はなかった…



次の日、麗は腹痛がすると言って、学校をやすんだ。


布団の中から出れずに、食べるのも、寝る事もできずに、ただ昨日の透の話しが嘘だったと言ってくれるのを願った…


夕方、歩美から電話があった。


「麗、お腹大丈夫?あのね…今日1組の子に聞いたんだけど…透君引っ越しするんだって?」


「うん…」


「そっかぁ~麗大丈夫?じゃないよね」


「……」


「明日は学校に来るんだよ。ねっ」


「うん…ありがとう」