麗にとっての初めては、透にとっても初めて。クリスマスの飾りつけも、イルミネーションも、全てがキラキラしていた。


「麗、プレゼント何ほしい?麗の欲しいもんなら何でも…って言いたいところだけど、あんまり高い物は買ってやれないし…」


「透!オソロイでストラップ買わない!私このストラップがいいな~」


麗が指さしたのは、小さなキラキラ光るクマがついていた。


「麗、こんなんでいいの?女の子なら、ネックレスとか、指輪とかがいいんじゃないの?」


「透と一緒がいい!私達、オソロイって持ってないでしょ。指輪だと学校にはしていけないし、ストラップならどこにでも付けていけるもの」


「わかった。じゃあこれにしよう」


「透、半分は麗が払うよ。私からのプレゼントね」


オソロイのストラップを買って、ケーキとジュースを買った。


透の家に着いたのは4時過ぎ。日も傾きかけた冬の夕暮れ…


「麗、コート脱いで見せてよ!…可愛いな~」


照れくさそうに、麗は一回転してみせた。


「ケーキにろうそく立てようか。麗と俺の初めての今日の日に、1
本のろうそく…」


暗くした部屋の中で、ろうそくの光がユラユラしていた。


「消さないでこのままいいか…」


透は麗の横でユラユラゆれてる炎を見て、静かに言った。