かかっていたCDが止まった。


透の部屋の時計の音がカチカチ鳴っていた。

透の右手が動いた時に麗は、思わずビクッとした。


「ごめん…麗やっぱりこわいんでしょ。体震えててるよ。大丈夫?」


こくりと、麗はうなずいた。


透は、麗の唇に少し触れるくらいに、そっとキスをした。


そして、麗を抱き寄せた。透の体も少し震えていた。


「ごめんな麗。俺、変な事しないって約束したのに、麗と一緒にいると、自分のものにしたいって思ってしまって…ごめん」


「ありがとう…透」


「えっ?」


また麗の瞳から大粒の涙が落ちた。


「麗泣かないで。こわかったな。ごめん…」

「違うよ。透に愛されてるんだって思って…嬉しかったの…でも、はじめてだから、ちょっと震えちゃって…」

「麗~好きだよ」


透は、優しく麗のオデコにキスをした。そして麗を気遣って、スタンドのあかりをつけてくれた。


照れくさくて、透の顔を見れなかった。


「今日は、忘れられない大切な勉強したな~二人じゃないと、できない勉強…」


「透ったら~」


「さぁ、いつもの麗の笑顔に戻ったな。送るよ」


別れ際、いつもは手を握りしめて別れたのに、透は


「麗、好きだよ」


そう言って抱きしめてくれた。唇には、透の唇のやわらかな感じを残したまま…