「お嬢様、どのようなウイスキーを?」

目力が鋭いが、性格が優しいところが好感度を増す執事“シンジ”がお客様=お嬢様に聞く。

「う~ん…素朴で甘いウイスキーがいいわ?休日だからゆっくりしたいもの…」

にこやかに微笑むお嬢様が座って話す。


「はい、かしこまりました。お嬢様の要望に合うウイスキーをお作り致します」


カラン…一つの瓶を取り出す。

名は“アルバータ”

素朴なコクと香りを備えたカナディアン・ウイスキーだ。


グラスにアルバータから琥珀色の液体が注ぎ込まれる。水を少し加えてお嬢様に差し出す。


「どうぞお嬢様、素朴なコクと香りを備えたカナディアン・ウイスキー、アルバータに水を加えたものです」


「ありがとう」

お嬢様はそれを鼻に近付け、匂いをかぐ。優しい甘い香りが鼻孔に入ってくる。

次に口に含む…舌には軽く甘いフルーツ香が広がる。
喉を通過した後には、その甘さがスッと消えた…。
一時の夢のように……