大きな扉の音とともに、彼女は現れた。



「撮影はまだ始まってないから大丈夫よ。それより、早く準備して!」


「はい!ありがとうございます!!」



スタッフさんと彼女の声が響く。
彼女は慌てて準備をしに控え室に戻り、スタジオに入った。




「あれが、勇真君…」


スタジオに戻ってきた怜美ちゃんから聞こえたこの言葉。


それを聞いて、俺はショックを受けた。



………俺のこと、知らねぇのかよ。


自分で言うのもなんだけど、俺はけっこう有名な方だと思う。


それはFAIRYでも、人気が高い方だから。