私は勇真君の反応が怖くて、下を向いた。



「……ううん。全然。撮影始まってなかったし、大丈夫だよ」



しばらくすると、そんな声が聞こえた。


すごく優しい声で答えてくれて、びっくりした。



絶対怒られると思ったのに………。




私はこの一瞬で彼に恋をしてしまった。


って言うか、こんなに素敵な人に恋しない人なんていないと思う。



遅刻した私に、こんなにも優しい声で「大丈夫だよ」って言ってくれた……。




これが、彼との出会いと同時に恋に落ちた瞬間だった。

そして、この恋が世間を騒がすことを、私はまだ知らないでいた。