「なに?真美」


「んー?なんでもないっ!」


見つめてくるからなにかと思ったけど……。
まぁ、いいか。


「あ、いけない!ご飯の支度がまだ出来てないんだった!」


「あ、あたしも手伝うよ」


「あら、ありがとう。助かるわ」


私と真美二人で台所に立つ。


「……ねぇ、お母さん」


「ん?なぁに?」


「………いつも、ありがとう」


「あら、どうしたの?」


「……ううん。ただ、伝えたくなっただけ。


ここまであたしを育ててきてくれてありがとうって」


「あらやだ。照れるわ〜。……真美、いい子に育ってくれてありがとう」


「なんであたしがありがとうって言われんの」


「いいじゃない。お母さん、嬉しいの」