「ここで待機しててください」


「はい」


あとはリハーサル通りにやるだけ。


「ほら!もうそろそろ入場なんだから!涙拭いて!!」


私はお父さんにティッシュを渡した。


「………怜美、大きくなったなぁ……」


「なによ、急に」


「幸せになるんだよ」


「当たり前でしょ!」


とは言ったけど、内心はちょっと嬉しかった。


お父さん、ありがとう。


「あ、入場だよ!行くよ、お父さん!!」


協会の門が開いて、一歩ずつゆっくり進む。


そして、勇真のところに着いた。