「ほら。キース、キース!!」


ちらちら勇真君を見てみるけど、硬直して動かない。


「……勇真君、大丈夫………?」


「………キス…、しなきゃダメかな?」


「………たぶん……」


周りは盛り上がってるからうちらの会話には気付いてない。


「………どうするの?」


私は、恥ずかしいけど、コンサートのときみたいに公衆の面前でって訳じゃないからどっちでもいいんだけど………。


「………怜美がいいなら」


ぼそっと勇真君が呟いた。


「………え……」


「………怜美がいいならするよ。そうでもしないと静まりそうにないし」


「………私は、されても大丈夫だよ……?」