「あのさ〜、芸能人同士の恋って難しいのかな?」



ずっと溜め息していた理由を紫織に話す。


「何あんた、芸能人に恋したの?」


「うん………勇真君に。でも、なかなか会えなくて困ってるんだ」



そう。私が、何度も溜め息を漏らしている理由はこのことだ。



「当たり前じゃない。勇真君売れてるもの。ま、人気者を好きになったんだから、しょうがないんじゃない?」


他人事のようにそう言う紫織。




紫織は化粧台の前に座ると、メイクをし出した。