「それでだ。紋章の気配を追ってみたが、どうやら人間界に持ち出されたようなんだ」
「それを私に持ってこいと?」
「そうだ。人間の手に渡ったら大変な事になる」
魔王はやれやれといった感じで、言葉をはく。
「分かりました!ルーリィ行って参ります!」



in人間界
「………や」
眠い………昨日夜中まで起きていたのが悪かったと、反省しながら眠りにつく。

しかも教室の机に突っ伏するように寝ている。
今日は高校2年の一番最初の日だ。
眠い…………
「くもした!!」

いきなり耳元で大きな声がした。
跳び起きると、先生が耳元で怒鳴った所だった。

「く〜も〜し〜た〜!新学期早々居眠りか!!」
「先生くもしたじゃありません。雲に下でどんげですっ!雲下恭夜です」
時折自分の名前が嫌になる。
なんで雲に下でどんげ!?って自分で思うぐらいだ。

「あ……すまんって何で俺が謝ってんだあああ!」
それから10分間先生の逆切れを聞かされたのは、言うまでもない。