in魔界
「ルーリィ。お前にある事をしてもらいたい。」
魔王であるデス・エンペラー4世は口を開く。

そこは薄暗く、辺り一面不気味な水晶で覆われている。
魔王の隣にはそんな不気味な空気を打ち消すように、ピンクのロリータファッションに身を包む少女がいた。

「ある事ですか?」
「ああ。今この魔界ではある問題が起きている」
「ある問題……?」
「それは…王家の紋章についてだ」
魔王は高い椅子からルーリィを見下ろしながら話し始めた。
「王家の紋章は、王家の者しか扱う事が出来ない。そして絶大の魔力を持っているのは知っているだろう?」
「ん……まぁそれくらいは!常識ですからねっ!」
ルーリィはさも知っていたように振る舞うが、顔から焦りがかなり分かる。

「まぁ…それでだな。その紋章が何者かに盗まれたのだ」
「あれ?紋章って盗めるんだぁ〜…」
「ば……馬鹿者ぉぉ!それくらい魔王の娘なら学んでおけっ!」
魔王は思わず、ブチ切れてしまった。
周りにいた使用人達は、冷や汗が滝のように出ていた。

「で結局盗めるの?」
「人の話を聞けっ!…ハァ全く…普通の魔女・魔法使いでは有り得ん」
魔王はため息混じりに言葉をはく。
「普通の魔女・魔法使いでは無い…って事ですか?」
「ようやく分かったか」
「お父様!なんですかその言い草!まるで私が馬鹿みたいにぃ!」
ルーリィは魔王に向かって逆切れを始めた。
もう使用人達は冷や汗はでず、白くなり気絶するばかりだった。