私の知り合い。 でもだれだか思い出せない。 「ごめんなさい…私」 わからないと言おうとしたときだった。 南くんが私を抱きしめて口を開いた。 「わかってる。俺がだれだかわからないんだろ?」 寂しそうに私を見つめる。 悲しくなって少し涙が滲む。 「ホントにごめんなさい」 気まずくなって目をそらす。 「いや、謝らなきゃいけないのは俺のほうだよ」 とっても悲しそうな瞳。 どこかで見たことある気がした。