ちゃんと、さっきの気持ち…伝えなきゃ。


あんなに熱心に教えてくれたのに……お礼の一言が無かったら…



もう二度と教えてくれなくなりそうだから。




私とひっちゃんのロッカーは同じ場所にある。


私がひっちゃんの上を使っていて、ひっちゃんは私の下のロッカー。




ただ、出席番号順で決められた。




菅波と原口。


11番のロッカーが私で、ひっちゃんは21番。




ロッカーに私が向かうと、ひっちゃんは案の定使っていた、



「あっ、ごめん。」


と私に気づいたようにひっちゃんはさっと体をロッカーから離れた。



「いやいや、全然。さっきは…………ありがと。」


と少し私は小さな声だったけど、



ひっちゃんは…「おおっ。またなんかあったら言ってな。」




と、その言葉を残して私の前から去った。








ドキン……