意外と…優しかった…ひっちゃん。


去年は意地悪だとずっと思っていたし……



今までも天才だ、って言われていたから…



ちょっと驚いてる…私。




「はぁ……」


ありがとうも言えなかったな…、

ちゃんと言えばよかった。


パタンと教科書を閉じてロッカーへ向かった、






「みぉっ!!!!!!早くしないと体育始まっちゃうよ、」


青いジャージに身を包んだ夕菜は、教科書を片手にこっちに手を振っていた、



黒板の端っこを見れば、体育…『テニス』と書いてあった。



「ご、ごめん。」


ポニーテールを揺らしながら夕菜のところへ言った。













「随分と楽しそうだったね、」