奪愛-DATSUAI-

あたしは下を向いたままブンブン首を振った。


「ちょ、ここ人目につくからさ、上いこっか!」



肩をポンポンと叩かれてあたしは腕で目を隠したまま立ち上がる。


繁正が肩を支えてくれたから、階段を昇りやすかった。


4階まで行ったところで二人は階段に腰掛けた。



「・・・・・・・あー・・・


なんてゆうか・・・あんまうまく言えねーけどさ、


もしなんかあるんだったら、聞くぜ?」



繁正は口元にセーターで隠れている手を当ててそっぱを向いている。