奪愛-DATSUAI-

アヤセの方をちらっと見るとやっぱりこちらを窺(うかが)っている。


あたしは慎の方を向いて「い」の口をして口元に人差し指を立てた。


ん?とでも言いたげに慎は顔をちょっと前に出して眉間にしわを寄せた。



だーかーら!


人差し指をしっかりと立てて意味を強調する。



今度は顎を少し引いて困ったような顔をしてきた。



・・・・・・きゅん


ん?


今・・・、心のどこかで桃色の風船が弾けたような気がした。