- 神崎 隆 -


高校に入学をして早1ヶ月が経過した。
月日というものは早いものだなぁ‥。
それでも別に僕は構わないけどね。
この1ヶ月思ったより友達出来たしね。
一件落着ってとこ‥?
でもまだまだこれからだ。
焦ることなんかないっ。


…でもまったり行き過ぎもあれかな?
ま、いっか!
心の中でブツブツ言いながら帰宅をする。
帰宅中にいきなり時間(とき)が止まった。

「な、なんだ?!」

辺りを見渡すと僕以外は皆モノクロで、動いていなかった。
混乱していてそれどころじゃなく、止まっていても声を掛ける。
聞こえてないのを知っていて。
それでも僕は諦めず、声を掛けていた。

「だ、誰かっ!返事をしてっ!」

叫んでも無反応。
駄目だと思っていたけど、まだ手段があることに気づいた。
"人に触る"ということに。

「さ、触れば、き、きっと‥」

触った瞬間、僕の身体が通り抜けてしまった。
でも心の中で「これは嘘だ」と叫びながら何度も何度もやった。
でも結果は同じ。
僕は立ち直れなくなり、その場で膝をついてしまった。
それも涙を流しながら‥。