蓮くんは階段をどんどん降りてゆく。
お見送りくらいはしてやるか…。
そう思い、私も一緒に階段を降りた。
するとお母さんが出てきて、
「あら、もう帰るの?」
と、馴れ馴れしく蓮くんに話しかけてる。
「はい。今日はご挨拶が目的だったので…」
蓮くんはにっこりと微笑みながら言う。
この猫かぶりがあ…!!!
「唯、家の前までお見送りしなさい。」
「わかってるって。」
蓮くんがドアを開けながらこっちを見て
「では。」
と、お母さんに終始笑顔で言った。
お母さんもまんざらでもなく「じゃあね♪」なんて言い返してる…。

