恋の家庭教師



まだ話したいことあるけど…お母さんがなにか言うかもしれない、そう思って顔を上げたのに。

お母さんは私の顔を見てる。

まるで先を促すように。

私は続けた。

「それで…永澤さんから聞いたんだ…お母さんとの契約のこと…お母さんは永澤さんにバイト代払うために働いてるんだよね?」

お母さんはゆっくりと頷いたあと、
「唯は寂しい思いしてるわよね。ごめんね。先輩とのことなんて、私個人の事情だから、唯にちゃんと事情説明して、理解してもらっとくべきだったわね。」

と、私の目をしっかりと見つめながら言った。