そんな過去が…あったの…


「だけど、俺の兄貴が断わった。俺はお言葉に甘えればいいのに、って思ってたけど…突然初対面の人の家で暮らすというのは、おかしいし、第一迷惑しかかけれない、って言ってた。

そして、
そのまま俺たちは2人暮らしをして…なんとか働いたり親戚の助けもあって、俺は大学に進学した。

ぶっちゃけ貧乏だった俺は、バイトの中でも儲かる仕事がしたくて、家庭教師になろうと思ってた矢先、

偶然、おまえの母さんにひさびさに再会して、言われた。

“何年も前に一緒に暮らそうって言ったよね、私。そこからなにもしてあげられなかった。私はあなたのご両親への恩を返したい。だから、私の娘の家庭教師になってくださいっ。お給料は普通のバイトよりも高くするわ。あなたがきちんとした就職をするまで、支えたい。”

って。」