恋の家庭教師


「…長居してしまってすいません。一人で留守番させるのが不安だったので。でも、僕はもう帰ります。」

「…あら、そうなの…?」

お母さんの返事を聞いたあと、蓮くんは軽いお辞儀をして帰っていった。



「唯、ちょっと下来なさい。」

お母さんの久々に見る怖い顔。

「……。」


食卓テーブルで向かい合って座る。

「…なんで永澤さんが、こんな夜遅くまでいたの?」

「……。」


お母さんに私のなにが分かるの…。

兄弟もいないのに、
両親二人とも仕事ばっかりで、
なのに気ばっかり遣ってきて。

そんなのよりも、
普通の家庭みたいに仲良くみんなで食事とかしたいよ。


この寂しさが
お母さんには分かるの…?