「あぁぁぁ!!!!」
俺は男を殴り付けた。
だけど、男も負けじと蹴りを入れる。
その横で、里香子はキャハキャハと狂った人形のように笑っていた。
………こいつ、頭おかしんじゃねーか?
「うっ……ごほ、ご…っほ」
しばらく、感情のままに殴り合いをしている内に
男が崩れ落ちた。
どうやら、俺が殴ったところがみぞおちに入ったようだった。
「はぁ……はぁ、はぁ」
さすがに疲れた俺は、肩で大きく呼吸をした。
それから里香子をギッと睨み付けた俺は、里香子の肩を掴むと壁におもいっきり押し付けた。
里香子は一瞬、ビクついたがすぐに強気に戻った。
「お前いい加減にしろよ。こんなくだらねぇー事で、公香を巻き込むんじゃねーよ!!」
胸ぐらを掴み、大声で言った。

