「もう疲れるとか言わねぇから」


「……」


「もう言わねぇから」


「……」


「瑠李…もう言わないからっ」


「……」


「おい!この期に及んでまだ無視すんのかよ!」


「…はっ!…っとあたしは我に返った」


「意味わかんねぇよ」


「ずっとボーっとしてた。さっき言った事もう一回言って?」


「…しゃぁねぇな。だから、もう言わ―――…って2回も言うか!」


「そんなツッコミされても困るよ」


「…何この恥ずかしさ……」


そう言いながら颯は机に伏せた。


あたしはそれを見てなぜか笑みがこぼれた。


なんでかは分からないけど笑みがこぼれた。もしかして、颯と話せたのが嬉しかったからなのかな?


でも家から学校に来るまでの間だけしか無視してないのに何でこんなに颯と話せた事が嬉しいんだろう…。


幼馴染で今までずっと一緒にいて颯といるときは話が絶えなかったからかな?


…そうだといいな…。


…あれ…幼馴染って何だ?


「ねぇ、颯?」


あたしがそう言うと颯は顔をあげて、


「何だよ」


と、言った。