それで一人暮らしを したいと母に言ったんです」 その後は、大体の予想がつく。 まだ未成年だからという理由で 一人暮らしが出来る年ではあるのに ここに来たんだろう。 「でも、ここに来て 麗羅さんと会いました」 嬉しそうに、はにかんで そう付け加えた伊宇を僕は 無意識のうちに、そっと側に寄せて。 多分それはほんの 数十秒の動作なのに、 自分がやけにゆっくりと 君を抱き締めた気がした。