俯いた表情に
気づかないフリをして過ごす。
声は届いていない。
そんなの、とっくに分かっている。
何を考えているのか
分からないし分かりたくもなくて
僕も気づかないフリをした。
だって君は
僕のそばに居なくてはいけないし
そうしなければいけない運命だからだ。
なぜか、その理由は……今は
言ってはいけない。
君にはまず謝らなければいけないんだ。
気持ちが離れているのに
一緒に居たいのは。
声が届かないのに
一緒に居るのは。
それは、君を閉じ込めたいから。
ごめんね。
でも君は自分を責める人だから
そのうち、空気は重たくなって
君を責めるように感じるだろう。
だから、僕は何も言わない。
君が、望んで気づかないフリを
しているなら。
僕も気づかないフリをする。
君も、僕もそれでいい。
君は、いつかその事実を
知らなければならない。

